樹皮炭と木タールから調製した成型炭
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概要
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インドネシアのパルプ工場から廃材として発生するアカシアマンギウム (Acacia mangium) の樹皮 (繊維とチップの混合物) を炭化 (推定300~400℃) し樹皮炭とした。その際副生する木タールと樹皮炭の粉炭を混合し, 一定の形状・強度・燃焼性を有する成型炭の製造を試みた。成型炭は, 混合, 成型, 不融化, および炭化の順序で調製した。省エネルギーの観点から, 不融化処理のみの影響, または炭化温度の影響についても調べた。4時間の不融化処理のみ, もしくは不融化せずに400℃以下の低温で炭化をして得られた成型炭は, タール臭は強いものの十分な硬度を示した。4時間の不融化処理後, 300℃もしくは400℃で炭化をするか, 不融化処理のみを20時間行って得られた成型炭では臭気が消え, 硬度が高くなる傾向が見られた。不融化処理の有無に係わらず600℃で炭化をした成型炭は発熱量が高くなる傾向を示し, 着火温度が上昇した。一方, 不融化せずに300℃で炭化した成型炭の発熱量は高くないものの, 着火温度は233℃で, 着火用として適していると考えられる。不融化処理後, 900℃で炭化して得られた成型炭を賦活処理して活性炭を調製したところ, 900℃, 60分間の水蒸気賦活によって, 収率36 wt%, 表面積615 m2/gの活性炭を得た。廃木材由来の活性炭と同程度の表面積となった。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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