木炭の調湿効果
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概要
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500℃, 700℃および900℃で炭化した木炭の調湿性能を調べた。木炭 (重量 : Wkg) を封入した鋼製箱 (容積 : V = 0.0197m3) 内の相対湿度の対数と温度の関係を直線で近似した式の勾配 (B) を調湿性能の指標に用いた。ブロック状の木炭のB値は温度変化の周期の影響を受けるが, 粒状の木炭 (5.5mm~8.0mm) のそれは周期の影響はなく, 活性炭および木粉のそれと類似している。500℃および700℃で炭化した木炭の調湿性能には差は認められなかった。しかしながら, 900℃で炭化した木炭の調湿性能は, 500℃および700℃で炭化された木炭のそれより若干劣る。木炭は, 博物館において調湿に用いられているシリカゲルと比べた場合, メーカーによるシリカゲルの推奨値であるW/Vが0.5kg/m3以下ではかなり性能が劣る。しかしながら, W/Vが1.0kg/m3以上では, 木炭とシリカゲルの調湿性能の差は小さくなる。シリカゲルでは, 温度変化の波形の違いがB値に及ぼす影響はみられなかった。材料の単位重量当たりの吸放湿量はW/Vの減少とともに急激に増大する。特にシリカゲルで著しい。しかしながら, W/Vが1.5kg/m3以上では, 材料によらずほぼ同一の値1~2g/kgを示す。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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