アルカリ処理が木材の形状に与える影響
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概要
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アルカリ処理が木材の形状変化に与える影響とその変化の機構を, エゾマツ (Picea jezoensis Carr.) 突板とラミー繊維を用いて検討した。アルカリ処理によりエゾマツ突板はコイル状に収縮し嵩高となった。同様に, アルカリ処理によりラミー繊維は収縮した。形状の変化を画像解析処理による縦横比と最大長で表し数値化したところ, それらの減少はNaOH処理濃度10%から生じた。両者の形状の変化は乾燥過程ではなく, アルカリ溶液中で生じた。Stöckmannのモデルに従い, 形状変化の機構を検討したところ, セルロースミクロフィブリルの収縮応力の分力である接線方向の応力と繊維方向の応力が, 突板のねじれと収縮を引き起こすことが明らかになった。モデル解析の結果, 処理に伴って突板に生じた形状変化は, 処理によるセルロースの変化により生じると考えられた。
- The Japan Wood Research Societyの論文
The Japan Wood Research Society | 論文
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