組織的基盤の有無からみた在宅老人に対する歯科保健事業の分析
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概要
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高齢化社会を迎え, 在宅老人に対する歯科保健事業がここ数年来, 多くの先進的な地区において展開されてきている。これらの事業を, 広くいずれの地区においても実施するためには, その事業の推進に必要な要件を明らかにすることが必要である。そこで今回, 組織的に取り組んでいる在宅老人に対する歯科保健事業の実態を把握するための調査を行い, 75地区から回答が得られた。在宅老人等に対する歯科保健事業を進めている地区は年々増加がみられ, とくに昭和63年以降では顕著である。事業開始時の口腔内実態調査, 歯科以外の医療機関との連携, 訪問歯科診療後の継続的な訪問活動について, これらを実施している地区の割合は, 在宅老人に対する歯科保健事業に関する協議会を設置している地区において, 協議会を設置していない地区よりも高率であった。また, 地区住民の意見を反映させる取り組み, 訪問歯科診療後の継続的な訪問活動, これらを実施している地区の割合は歯科以外の医療機関との連携がある地区において, 連携のない地区よりも高率であった。このことは, 事業の計画その評価, 関係諸機関との連携を推進するための組織的な取り組みが, より質の高い, 在宅老人に対する歯科保健事業の推進に対して有効であることを示唆している。
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一般社団法人 日本老年歯科医学会 | 論文
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