成人, 高齢者にたいする歯科臨床における歯周疾患予防指導の効果についての研究:喪失歯数に与える影響
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概要
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歯科診療室に来院した患者で, 歯周処置を開始してから担当歯科医師の指示する通りのメインテナンスが継続している患者とメインテナンスが行われていない患者について, 歯の喪失率を比較した。継続群における年平均喪失歯数は男女ともに0.097本であるが, 非指導群では男0.495本, 女0.337本と, いずれも有意に多かった (p<0.001) 。<BR>非継続群の中には, 継続群同様に刷掃指導を実施した者と実施していない者があるので, 両群の年平均喪失歯数を比較した。<BR>非継続群において, 刷掃指導を実施した者の年平均喪失歯数は0.293本であったのにたいし, 刷掃指導をしていない者には0.549本で有意に多い (p<0.001) 。<BR>継続群において, 根面清掃を実施した者の年平均喪失歯数は0.097本, 根面清掃をしていない者は0.090本と, 両者の間に有意の差はない。また, 歯周外科手術を実施した者の年平均喪失歯数は0.118本であったのにたいし, 歯周外科手術をしていない者においては0.080本で手術群の喪失歯数が有意に多い (p<0.05) 。<BR>歯の喪失防止の効果が見られるのは40歳以後に開始した症例において顕著に認められることから, 老人保健法にもとつく保健事業の対象とされる年齢群にたいする歯周疾患予防処置を実施することは, 高齢者の歯の喪失を減少させる効果をもたらすものと考えられる。
- 一般社団法人 日本老年歯科医学会の論文
一般社団法人 日本老年歯科医学会 | 論文
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