大阪歯科大学附属病院高齢者歯科通院患者の口腔ケアについての調査
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概要
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通院している比較的健康な高齢者の口腔ケア指導と実践に対する指針を得るべく, 患者の日常生活を含めた口腔ケアについて, 大阪歯科大学附属病院高齢者歯科に通院中の70歳以上の患者100人に対して調査を行った。<BR>調査内容は, 口腔内に対する認識, 生活習慣, 口腔ケア指導を受けた経験の有無や清掃方法などである。また, 文字の大きさや挿絵が異なる義歯の取り扱いに関する3種類のパンフレットを見せ, 患者に選択させた。さらに, 歯口清掃の状況と残存歯の確認を行った。<BR>患者の多くは, 生活が規則正しく, 食べ物の好き嫌いもないと回答した。しかし, 残存歯数を正しく認識している患者は約4分の1であり, 多くの患者は実際よりも少ない歯数を答えた。口腔内もしくは義歯のケア方法の指導を受けた経験については, 有歯顎者は62%であったが, 上下顎総義歯装着患者は25%にすぎなかった。多くの患者が読もうと思って選択した口腔ケアについてのパンフレットは, 内容が簡潔で文字や挿絵が大きい冊子であったが, 細かい文字で詳しい説明がある冊子を選ぶ患者も多かった。<BR>以上から, 高齢者の口腔ケアに関しては全身的な健康ほどには認識されておらず, 口腔ケア指導, 特に義歯のケアについての指導が十分になされているとは言い難いことが判明した。
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一般社団法人 日本老年歯科医学会 | 論文
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