地域高齢者の咀嚼機能と健康習慣との関連性
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概要
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本研究では, 全身の健康状態に多大な影響を与えるといわれている健康習慣と咀嚼機能との関連性を, 65~74歳の健康な地域高齢者277名に対して調べた.咀嚼機能は摂取可能食品調査から求められる咀嚼能力 (咀嚼スコア), プレスケールTMによる最大咬合力, ならびに現在歯数の3つで評価した.日常健康習慣に関しては, ブレスローらの報告に準じて, 睡眠時間, 食生活, 間食摂取状況, 肥満, 身体的な運動, 喫煙, 飲酒の7項目について自記式留置調査法を用いて調べた.その結果, バランスよく食品を摂取し食生活に留意していると回答した者は, そうでない者よりも有意に高い咀嚼能力, 最大咬合力ならびに現在歯数を示した (P<0.05).間食日常摂取群では, 非日常摂取群と比較して有意に低い咀嚼スコア値を示した (P<0.05).さらに, 甘味飲料摂取量についても調べたところ, 咀嚼スコアと有意な関連性を示していた.他の健康習慣については, 咀嚼各機能と有意な関連性は認められなかった.これらの結果は, 特に食生活に関する健康習慣が高齢期の咀嚼機能と密接に関係することを示していた.
- 一般社団法人 日本老年歯科医学会の論文
一般社団法人 日本老年歯科医学会 | 論文
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