看護学校における口腔ケア, 歯・口腔領域に関する教育について
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概要
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高齢者の歯科治療介護システムの確立が重要視されているが, とくに介護においては, 歯科治療従事者のみならず, 医師, 看護職, 介護職, リハビリテーション従事者, 栄養士等の各種職種の協力が必要である。しかし, これらの職種の教育機関で, 口腔領域についてどのような教育がなされているかについての歯科医学からの研究は皆無といっていい。全国の看護学校1334校に口腔ケアと歯・口腔に関する講義時間と講義担当者についてのアンケート調査を行った。口腔ケア (保清, 清拭) に関する教育時間は68.8%が1~3時間であり, 教育にあたる職種は, 看護職が82.2%であった。歯・口腔に関する教育時間は30分から12時間までさまざまであり, 教育にあたる職種は歯科医師70.7%, 看護職23.9%であった。口腔ケア, 歯・口腔に関する教育時間を合計してみると, 学校全体の40%が7~10時間であった。この時間数は旧カリキュラムの時間数に比べると多少減少している。口腔ケアの教育時間数は学校によりあまり違いはないが, 歯・口腔領域に関する教育時間は学校間で大きな違いがある。このことは, 歯・口腔領域の看護に関する教育内容が確立しているとは言い難いという看護教育の現状を示していよう。口には摂食, 発声, 呼吸, 表情等の諸機能があり, 全身やQOLとの関係が大きいので, 口腔ケアを保清と清拭とだけとらえるのは不十分であろう。口腔領域の看護の確立にっいて歯科関係者は充分に協力すべきだと考える。
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一般社団法人 日本老年歯科医学会 | 論文
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