1946 年南海地震前の四国太平洋沿岸の上下変動曲線
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概要
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四国太平洋沿岸における11か所において,地理調査所(現在の国土地理院)による水準点測量成果と水路局(現在の海上保安庁海洋情報部)による資料を組み合わせて,1946年南海地震直前までの地殻の上下変動曲線を求めた.水路局の資料のうち,「調査値」は地震時の上下変動量であるが,これは地震の前と後の潮位差を目視調査することによって得たもので,地震の前の何時の潮位と比べたかは不明である.本論では,この「調査値」の時刻を,潮位記録と目撃証言から推定した.後者については,目撃された井戸の水位低下量を土地の変動量に換算し,変動量の最大と最小から調査値の時刻の範囲を求めた.潮位記録から推定された時刻は,証言から求められた時刻の範囲内に収まることから,調査値の時刻は本震前日とその前の大潮時の満潮の間と推定した.最終的にはその中間の満潮時である12月14日11時(本震の6.7日前)を,本震前に調査値が得られた時刻と決定した.調査値の時刻が定められたことにより,本震直前までの上下変動曲線描くことができ,それを表現する近似関数も決定することができた.
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Geological Survey of Japan | 論文
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