寄生虫陽性率の経年的変化と寄生虫検査継続意義
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
<B>目的:</B>三井記念病院総合健診センター(以下,当センター)における寄生虫陽性率の経年的変化を検討し,今後の人間ドックにおける寄生虫検査の継続意義について考察した.<B>方法:</B>対象は1994年8月から2012年3月までに当センターを受診した1泊人間ドック受診者4,673名で,虫卵の検出法はホルマリン・エーテル沈殿集卵法で行った.この他,当センターから提出された虫体の同定も行った.<B>結果:</B>集卵法総依頼件数4,673件中,寄生虫陽性件数は219件,陽性率は4.7%であった.年別陽性率は,1994年2.6%から1999年21.1%と経年的に増加傾向であったが,2000年には5.2%と減少した.2000年以降の年間陽性率は平均3.7%と横ばい傾向であった.集卵法で検出された寄生虫卵(重複患者を除く)の内訳は,横川吸虫が150件,ランブル鞭毛虫12件,大腸アメーバ2件,肝吸虫1件,鞭虫1件,サイクロスポーラ1件であった.虫体同定依頼件数8件の結果は,アニサキス7件,回虫1件であった.<B>結論:</B>本研究の成績,すなわち,当センターでも特に症状のない人から2005年以降2~3%の検出率で寄生虫が検出されていることや,5類感染症のランブル鞭毛虫が検出されている事実は,人間ドックが健康チェックのために行われるのであれば,寄生虫感染症を調べることは重要であり,受診者の高齢化も考慮すると日和見感染防止のためにも,今後も続ける意義があるものと考えられた.
- Japan Society of Ningen Dockの論文
Japan Society of Ningen Dock | 論文
- エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2009
- 2型糖尿病患者において血清尿酸値は血清1, 5-アンヒドログルシトール値と正に相関する
- Relationship Between Daily Physical Activity and Metabolic Syndrome in Japanese Adult Males -Evaluation with Accelerometer-
- 健診の上部消化管Ⅹ線検査で無症状の咽頭梨状窩瘻が発見された場合の判定と事後指導
- 検診画像のモニター診断 ―至適ビューワーの開発,運用について―