来待砂岩の力学異方性と堆積構造に関する研究, その 2:―弾性波速度・一軸圧縮強度について―
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概要
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堆積岩で見られる力学異方性と堆積構造との関係を調べるため,来待砂岩を用いて弾性波速度と一軸圧縮強度の方向別試験を行った.層理面に平行な板状ブロックから30°ごとに12方向のコア試料(直径:50 mm,高さ:100 mm)を用意した.自然乾燥状態でP波速度測定試験を行い,その異方性を確認した.また,一軸圧縮試験結果から,一軸圧縮強度および変形過程でのYoung率異方性の変化を確認した.さらに,平行ブロック試料中最も一軸圧縮強度が高かった方向に合わせた垂直ブロックを用意し,新たに12方向のコア試料を作製した.これらも平行ブロック試料と同じ要領で各試験を行い,立体的な力学異方性の確認を試みた.P波速度異方性は平行ブロック試料ではほとんどなく,垂直ブロック試料で相対的に大きい異方性が確認された.一方で,一軸圧縮強度は平行ブロック試料で異方性が顕著だった.また,平行ブロック試料の最大一軸圧縮強度方向が古流向と一致する点から,堆積過程で一軸圧縮強度に影響する堆積構造が生じたことが考えられる.
- 一般社団法人 日本応用地質学会の論文
一般社団法人 日本応用地質学会 | 論文
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