山梨県北部,風化花崗岩における初生地すべりの変位率と内部構造
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概要
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山梨県北部の風化花崗岩を対象に, 代表的な緩み岩盤の割れ目の特徴を記載し, 緩み岩盤の初生地すべりに至る重力変形過程をまとめた. 緩み岩盤は, 頭部から末端部にかけて A 引張割れ目部, B 共役割れ目部そして C 押出し変形部に分かれる. 緩み岩盤の応力状態や変形過程は, 割れ目の密度や性状から推定することができる. また, 緩み岩盤の頭部には段差地形が認められ, この段差地形の形状に基づいて算出された緩み岩盤の変位率 (100X/L:X 変位量, L 長さ) は0.8~4.0%であった. 本地域の風化花崗岩において初生地すべりが形成される限界変位率は約 5 %で, 著者らの従来の研究と比較すると, 新第三紀の堆積軟岩の限界変位率に近い. また, 緩み岩盤から地すべりに至る地形発達経路は変位率と斜面の傾斜で示すことができる. それによると, 風化花崗岩の地すべり地形発達経路は新第三紀地すべりや結晶片岩地すべりの経路と異なる.
- 一般社団法人 日本応用地質学会の論文
一般社団法人 日本応用地質学会 | 論文
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