SAR干渉画像で検出された地すべり域における詳細野外調査の結果
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概要
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合成開口レーダー干渉画像により,平成19年(2007年)能登半島地震(M6.9)の際に東向きにわずかに移動した広域の地すべり性変動が明らかにされている。この地すべりは,受け盤の緩傾斜の丘陵性斜面に1.5km×0.7kmの広さを持ち,縁辺とその内部に亀裂と小規模な斜面崩壊が見られた。今回,その地すべり域でボーリング調査を行うと共に,露頭観察,電気探査,湧水・渓流のpH,電気伝導度の計測を実施した。ボーリング調査と電気探査の計測結果は明瞭なすべり面の存在を示さなかったが,pHの計測結果は,約76%の正解判別率で地すべり性変動域の内部・外部の場所の違い,すなわち地すべり域の末端部の存在を示唆した。これらの結果は,明瞭なすべり面を伴わない地すべり土塊群がわずかに変形して東向きに移動したことを示唆している。そして本研究の結果は,研究対象地区で地震によって生じた地すべりの特徴を示唆したものとなった。
- The Japan Landslide Societyの論文
The Japan Landslide Society | 論文
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