当科における肝移植希望受診者の転帰に関する検討
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概要
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日本肝移植研究会に所属する全国65施設中,東京に13施設(20%)が集中している.一方,脳死肝移植が極端に少ない本邦では肝移植を受けられる症例が限られる.東京地区で肝移植の新規参入施設である当科の問題点を探るため,2003年4月から2012年12月までに当科を受診した肝移植候補者105例(年齢:52.6±11.2歳,男:女=62:43)を解析した.評価中の6例を除く99例中57例(58%)を適応ありと判断し,他施設希望の4例を除く53例中,「適合生体ドナーあり」と判断されたのは22例(42%)であった.12例が当科に入院し,11例に移植を施行した.残り10例(緊急例6例,ABO血液型不適合4例)は他施設で生体肝移植を受けた.全体として国内で生体肝移植を施行した21例中19例(90%)およびドナー不在のため海外で脳死肝移植を施行した11例中7例(64%)が生存中である.他施設と連携し,自施設での生体肝移植の診療体制の充実ならびに脳死肝移植認定施設の取得が重要と考える.
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一般社団法人 日本肝臓学会 | 論文
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