森林表土を利用した緑化のり面に成立する植生と気候要因の関係
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概要
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森林表土利用工により成立する植生の傾向を把握するために,30 地域65 箇所の緑化のり面で成立する植生と施工後月数,気候要因,施工要因,のり面属性を調べた。二元指標種分析により植生を分類した結果,冷温帯のヤマハンノキやバッコヤナギを指標種とする群落と,暖温帯のセイタカアワダチソウを指標種とする群落に二分され,さらに暖温帯では施工当年にメヒシバが優占する群落,降水量が少なく市街地周辺などのセイタカアワダチソウが優占する群落,ススキと多くの木本を含む群落に分類された。冷温帯では多雪地のヤマハンノキやタニウツギが優占する群落と,治山堰堤のり面のフサザクラが優占する群落に分類された。施工後初期は草本の被度が高いが,施工後月数の経過に伴い草本の被度が減少,木本の被度が増加した。ヌルデやタニウツギ,アカメガシワなどの埋土種子に多い木本種に加え,ヤマハンノキやバッコヤナギ,ススキ,セイタカアワダチソウなど,周辺から飛来する種子により植生が成立していた。北海道から鹿児島県までの広域レベルで見れば,気候要因に比べると施工要因やのり面属性の影響が小さく,各地域の気候要因に適した植生が成立していることが確認された。
- 日本緑化工学会の論文
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