スチロール瓶を使った乾電池教材を利用した学生実験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
理工系の大学生を対象にした科学実験で使うことができるマンガン乾電池の教材(キット)を開発し、"マンガン乾電池の製作と評価"と題する課題を設定し、2012年度の前期の実験で教材を試用した。実験には100名の学生が参加し、正極合剤の調製を含む電池の製作、開路(負荷を繋がない状態における)電圧の測定、抵抗負荷による放電、電池の解体、セパレータや負極の状態の観察などを行った。製作した42個の電池の全てが1.5 V以上の開路電圧を示し、豆電球が明るく点灯した。しかし、2.5 Ωの抵抗負荷による連続放電では、放電時間が3~75分と電池毎に大きく変化した。負極の減量にファラデーの法則を適用して電気量を求めるために、電池を解体して負極を回収した。解体後の目玉クリップ、炭素棒、スチロール瓶は、教材を補充する際、再利用した。学生は実験データの取得に掛かる一連の作業を3時間以内に終えることができ、実験の内容が量的に概ね妥当であること、また、実験を通して、学生が電池の製作、試験、評価に関する技術や、材料のリサイクルに関する素養を修得できることが分かった。
- Society for Science and Technologyの論文