ポリマー共存下におけるフェノール系樹脂の分子複合体形成
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概要
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フェノール系樹脂とポリエチレングリコール (PEG) との高分子間で均一に混合した複合体を得るため, PEGを共存した状態でフェノール系モノマ-を重合させる方法が考えられる。本研究では, フェノール系モノマーとして<I>o</I>-クレゾール, <I>p</I>-クレゾールおよび<I>o</I>-クロロフェノールを用い, PEGを共存させて重合を行い, 複合体を合成した。モノマーに対するPEGの共存量を変化させることで, 組成や形態の異なる分子複合体が得られた。複合体の形成要因として, <I>o</I>-クレゾールのヒドロキシル基とPEGのエーテル結合間に働く水素結合相互作用であることがわかった。<I>o</I>-クレゾール樹脂に比べてPEGを含む複合体は, メタノールへの溶解性の低下およびTgの低温へのシフトが見られた。またPEGの融点が見られなかったことから, 形成した複合体中ではPEGの結晶性が低下しアモルファスであることがわかった。他のフェノール系モノマーとして<I>p</I>-クレゾールおよび<I>o</I>-クロロフェノールを用いて複合体を形成させたところ, PEGとの水素結合力に応じて組成が異なる複合体を得ることができた。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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山岸 忠明
金沢大学大学院自然科学研究科
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生越 友樹
金沢大学大学院自然科学研究科
-
中本 義章
金沢大学大学院自然科学研究科
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小澤 雅昭
金沢大学大学院 自然科学研究科
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市川 慎也
金沢大学大学院 自然科学研究科
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大川 寛正
金沢大学大学院 自然科学研究科
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中本 義章
金沢大学大学院 自然科学研究科
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山岸 忠明
金沢大学大学院 自然科学研究科
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生越 友樹
金沢大学大学院 自然科学研究科
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