ヘキサメチル基とフェニル基を置換基にもつキサンテン骨格を含有するエポキシ樹脂の合成と物性
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概要
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トリメチルハイドロキノン (TMHQ) とベンズアルデヒド (BA) を酸性触媒存在下で2分子脱水させて, 6個のメチル基とフェニル基を置換基にもつ特異なキサンテン構造を含有するビスフェノール化合物を高収率で合成した。次いでこれを出発原料とした2官能型エポキシ樹脂を合成し, その物性評価を行った。<BR>その結果, 本報告のエポキシ樹脂は, エポキシ樹脂の分子構造の本質に因果した問題であって, これまで両立が困難とされてきた相反関係にある「高度難燃性」と「高耐熱性」を高度に兼備していることを見いだした。加えて, 高度難燃性樹脂にしては脂肪族炭化水素濃度が比較的高いことや, 7倍以上の架橋密度をもつノボラック型を20℃も上回るガラス転移温度を示すことなどの特異な物性も確認した。さらに, 本エポキシ樹脂は耐吸湿性や誘電特性にも優れており, 今日の先端エレクトロニクス材料の要求特性を高度に満足するエポキシ樹脂であることが判明した。<BR>これらの特異な特性は, 6個の芳香環置換メチル基 (炭化層速形成機能と立体障害付与機能) とフェニル基 (前述機能群+高酸素指数化機能) によって, より一層高機能化されたキサンテン骨格に起因すると考察した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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小椋 一郎
大日本インキ化学工業
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高橋 芳行
大日本インキ化学工業 (株) 関東ポリマ関連技術研究所 機能性ポリマ技術本部エポキシ樹脂技術グループ
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今田 知之
大日本インキ化学工業 (株) 関東ポリマ関連技術研究所 機能性ポリマ技術本部エポキシ樹脂技術グループ
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