リサイクルマトリクスとしてのリグノフェノールの応用:リグノフェノール-無機質複合系の機能特性
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概要
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リグノセルロース系複合体を構成する炭水化物およびリグニンに対し, それぞれ相互に混合しない酸およびフェノール誘導体を反応系 (機能環境媒体) とした相分離系変換システムにより, 天然リグニンから各種C1-フェノール構造の異なる1, 1-ビス (アリール) プロパン型リニア系ポリマー, リグノフェノールを合成した。また, そのC1-フェノール核の反応性およびスイッチング機能 (C2炭素に対する隣接基効果) を活用し, リグノフェノールを原料として循環可能なネットワークおよびリニア生長型メチロール (HM) 化プレポリマーを誘導した。さらに, HM-リグノフェノールを各種無機素材 (タルク, ガラス系粉末, 鉄粉) の表面に均一収着させ, 加熱圧縮成形することにより, リグノフェノールをマトリクスとした複合成形体を創製した。得られた成形体の吸水率は用いた無機材料の親水性に依存して増加したが, 体積膨張率はいずれも極めて低かったことから, リグノフェノールマトリクス高次構造と無機素材とが強固な複合系を形成していることが示唆された。複合成形体のリサイクル特性はリグノフェノールマトリクスの架橋密度の低下, 無機素材のアルカリ試薬に対する親和性の上昇によって向上した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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