分子集合体によるオルガノゲル形成と構造評価
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概要
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トリペプチド基を構造要素に持つ両親媒性分子は、水中で二分子膜構造を形成するのみならず、無極性有機溶媒中では繊維状会合体を形成して溶液をゲル化させる。フーリエ変換赤外 (FT-IR) 分光法を用いて構造解析を行った結果、繊維状会合体は、両親媒構造に基づく疎媒力によって自己会合した分子が、トリペプチドの形成する平行β-シートによって連鎖したリオトロピック液晶であることが明らかになった。また、水素結合はアルキル鎖などペプチド以外の構造要素が結晶性のパッキングを形成しようとするのを妨げる作用も有し、その結果、分子の結晶化を抑制している。水素結合とアルキル鎖の流動性を温度や濃度を変化させながらFT-IRスペクトルで追跡したところ、溶液のゲル化は繊維状会合体の接点が擬結晶領域を形成して三次元ネットワークを構築するためであることもわかった。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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