不飽和ポリエステル樹脂成形品の品質に及ぼす攪拌操作の影響
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概要
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樹脂成形品の信頼性向上のため攪拌因子と品質特性との関連を検討することを目的に攪拌実験を行った。攪拌装置には標準的な円筒平底攪拌槽と6枚平羽根パドル翼を採用し, 攪拌を律する主因子である攪拌翼回転速度と攪拌時間の2因子をとりあげた。樹脂には不飽和ポリエステル樹脂を用い, 硬化開始剤と促進剤を混合する過程で生じるバラツキに着目し, 攪拌槽内部で硬化させて全体としての平均的品質と局所的品質とをガラス転移温度 (Tg) により評価した。<BR>その結果攪拌操作により, 一般に平均的品質は向上するが, 攪拌条件によっては攪拌槽内の樹脂および硬化開始剤の流動状態に差を生じ局所品質の不均一が発生することを確認した。さらに樹脂の流動状態を数値解析によりシミュレーションしたところ翼回転速度と攪拌時間による影響から渦流の存在など混合不良による不均質領域の発生が認められた。そこでガラス製の円筒槽を使用し攪拌混合過程の可視化実験を行ったところ, シミュレーション結果およびTgによる品質の分布状態とよい一致を示した。樹脂成形品の品質が攪拌操作にも起因することから攪拌条件を解析評価することが樹脂成形品の信頼性向上に寄与すると考える。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文