相分離反応系を応用するフェノール系リグニン素材の誘導とその機能
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概要
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フェノール誘導体-濃酸2相分離反応系を応用する植物細胞壁構成成分の機能化・分離プロセスを考案した。本プロセスの特徴は, 親水性炭水化物および疎水性リグニンを単一媒体系で加熱処理せず, 室温にてそれぞれ異なる相 (リグニン : フェノール誘導体相, 炭水化物 : 濃酸相) で構造変換することにある。これによって細胞壁におけるリグニンおよびセルロースの相互侵入高分子網目 (IPN) 構造が破壊され, 両成分の迅速な分離が達成されるのみならず, 天然リグニンはその基本結合型を高度に保持したジフェニルメタン型フェノール系素材 (リグノフェノール誘導体) へと変換された。従来のリグニン試料と比較して, リグノフェノール誘導体はタンパク質に対する際立ったアフィニティーを示し, しかも固定化された酵素の活性およびその発現パターンは, 遊離酵素とよく相関した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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