イミドオリゴマーアロイ化によるエポキシ樹脂の高靭性化:エポキシ樹脂改質用新規イミドオリゴマーの合成と改質樹脂物性
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概要
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エポキシ樹脂の靭性改質剤としてアミノ基末端ポリイミドオリゴマーを合成検討し, 3種のエポキシ可溶性イミドオリゴマーを見出した。オリゴマーをエポキシ樹脂に溶解し相図を作成したところ, オリゴマーPI-Aを混合した系は二相分離領域のない均一相溶型相図を有するが, このオリゴマーにジメチルシロキサンをブロック共重合したオリゴマーPI-Siを混合した系は上限臨界共溶温度 (UCST) 型相図を有することがわかった。またビス (アミノフェノキシフェニル) ヘキサフルオロプロパンを共重合成分として含むPI-F添加系もUCST型相図を持つことがわかった。<BR>オリゴマーを30wt%添加した系について破壊靭性値G<SUB>IC</SUB>を測定し, 電子顕微鏡によるモルフォロジー観察を行った。均一相溶構造であるPI-A系の靭性値G<SUB>IC</SUB>は改質前の2倍程度に留まり, 樹脂破断面は平滑である。それに対し, UCST型相図を有するオリゴマーPI-Si系およびPI-F系の靭性は, 改質前の8~9倍程度にまで向上した。オリゴマーPI-Si系は両相連続構造, オリゴマーPI-F系は, 海相がオリゴマーリッチである逆海/島構造を形成するといった相分離形態の違いはあるが, どちらもマイナー成分であるイミドオリゴマーリッチ相が連続相を形成し, 破断面が複雑化し, 高靭性を発現している。
著者
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小田切 信之
東レ (株) 複合材料研究所
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岸 肇
東レ (株) 複合材料研究所
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尾崎 篤
東レ (株) 複合材料研究所
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吉村 堅次
(株) 東レリサーチセンター形態科学研究室
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伊藤 忠史
(株) 東レリサーチセンター名古屋研究室
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吉川 正雄
(株) 東レリサーチセンター形態科学研究室
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