イオン交換樹脂を用いる選択的ビスフェノール生成反応

概要

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フェノール類 (P) とアルデヒド類 (A) との反応の場に, ポリスチレンジビニルベンゼン (PSDVB) 系スルホン酸型強酸性イオン交換樹脂触媒 (H-IER) の有する網目構造を利用して分子量制御を行い, 選択的にp, p′-ビスフェノール類を合成できることを見出した。 表面積の広いマクロポーラス (MP) 型でDVB量の多い高架橋度タイブのH-IERが好適であり, ビスフェノール選択率はDVB量が多いほど高いことを明らかにした。 同一反応条件下でAをホルムアルデヒド (F) に固定し, Pを変えたところ, Pの反応活性が高いほど選択率が低くなった。この選択率は反応物の触媒内滞留時間と反応速度で決まると推定された。また, 2, 4-及び2, 6-キシレノールを用いたモデル実験によって, H-IER系ではオルソ位の反応が極端に阻害されることを明らかにした。 触媒の寿命評価を行い, 3官能Pと高活性Aの系で失活が激しく, また, Aの活性低下と共に寿命が長くなった。2官能P系ではAの種類によらず連続使用可能であった。失活の原因は3次元架橋した反応物による触媒網目の閉塞であろうと推定された。
Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文