二重結合を有する液状ジアセチレン化合物の重合挙動とその硬化物の物性
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概要
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1, 6-ジアクリレート-2, 4-ヘキサジイン (DAHD) と2, 4-ジメタクリレート-2, 4-ヘキサジイン (DMHD) の塊状重合及び溶液重合を検討した。これらの化合物は重合開始剤を用いることなく重合した。重合開始ラジカルはジアセチレン基から生成することがモデル反応より確認された。ゲル化までの連鎖成長は二重結合の重合によって起こりジアセチレン基は関与しない。しかし, ゲル化してからはジアセチレン基も反応することが判明した。またこれらの反応には, プロパルギル性メチレン基の退化的連鎖移動とジアセチレン基のラジカル捕捉も伴うことが推定された。<BR>次に, DAHDとDMHDの硬化物の物性を検討した。100℃, 1時間の硬化条件で超音波伝播速度から求めた弾性率は, DAHDで13.2GPa, DMHDで9.2GPaであった。またこれらの硬化物は, 熱伝導率, ビッカース硬度, 線膨張率においても汎用樹脂を大きく上廻る物性値を発現した。DAHDの硬化物はより高温で熱処理すると後橋かけが起こり, これらの物性値は更に向上した。後橋かけを一層進めるために, 650MPa, 200℃で高圧熱処理したところ, DAHDの硬化物の弾性率は20.2GPaに達した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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