特発性三叉神経痛に対する神経血管減圧術:新しい考え方における手術成績と術中血管所見
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概要
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特発性三叉神経痛に対し神経を圧迫・接触しているすべての血管を神経から移動することを基本にして神経血管減圧術を行った症例において, 術中に観察した圧迫・接触血管の種類, 本数および接触様式が合併症発生率, 治癒率, 再発率に与える影響を検討した. さらに, 本術式による成績をこれまでの報告と比較し, 本術式の妥当性を検証した. 症例は連続116例で, 1∼8年 (平均3.6年) の追跡調査を行った. 術後合併症に関しては, 一時的合併症が20例17%, 持続的合併症が1%に認められ, 合併症発生率は圧迫・接触血管が3本以上の例および上小脳動脈が圧迫・接触血管でない例で高かった. 13例で術後症状残存・再発を認めたが, 術中血管所見との相関はなかった. 本術式による持続的合併症発生率は1%, 再発率は9%, 治癒率は術直後97%, 術後1∼3年では91∼88%であった. 以上から, 複数の圧迫血管の見落としをなくすことと術後の血管位置の変化による再発を予防することを目的とした本術式では, 血管構築の複雑な例で一時的合併症の発生が増加するが, 持続的合併症発生率, 再発率は低く, 治癒率は高いことから, 本術式は有用で採用すべき方法であるといえる.
- The Japanese Congress of Neurological Surgeonsの論文
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