同種造血幹細胞移植患者の入院期間の長期化と精神的苦痛の関連性
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概要
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同種造血幹細胞移植患者を対象に,Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)を用いて,入院長期化が精神的苦痛に及ぼす影響を解析した。移植後90 日目で退院予定の患者(退院群)と入院延長を要す患者(入院延長群)で,HADS 合計スコア,不安スコア,抑うつスコアについて,移植前と90 日目の変化量を群間比較した(unpairedt test)。対象21例は,退院群10 例,入院延長群11 例だった。移植前と90 日目の変化量は,退院群と入院延長群で,HADS 合計スコア,抑うつおよび不安スコアはそれぞれ,-1.5±2.4 vs. 3.6±5.2(P<0.05),-0.2±2.7 vs. 3.5±3.6(P<0.05),-1.3±1.6 vs. 0.18±3.0(P>0.05)だった。入院期間の長期化は,患者の精神的苦痛の増大に関連することが示唆された。
著者
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宮本 敏浩
九州大学大学院 医学研究院 病態修復内科学
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上村 智彦
医療法人 原三信病院 血液内科
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宮本 敏浩
九州大学大学院 医学研究院 病態修復内科学
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村岡 弘恵
医療法人 原三信病院 看護部
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横田 宜子
医療法人 原三信病院 看護部
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青木 孝友
医療法人 原三信病院 血液内科
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伊藤 能清
医療法人 原三信病院 血液内科
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筒井 玲子
医療法人 原三信病院 看護部
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