造血器悪性腫瘍患者の終末期および看取りの方針に関する意思決定についての後方視的検討
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概要
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【目的・方法】造血器悪性腫瘍で死亡した56例の診療記録から, 終末期と看取りの方針を誰が決め, 患者の意思決定を妨げる要因が何か, 看取りに関する事前指示の有無を調査し, 看取りの方針決定に関わった家族の語りを抽出した. 【結果】終末期の方針は45例で患者が決め, 11例では家族が代理決定していた. 患者の意思決定を妨げる要因は, 終末期では認知症が多く, 看取りでは全例が病状悪化だった. 看取りの方針は, 54例で家族が代理決定していた. 看取りの方針は49例がdo not attempt resuscitation, 7例が延命治療を希望した. 事前指示が7例で確認できた. 家族の語りから, 看取りの方針に関わる心理的葛藤が読みとれ, 事前指示がある家族からは心理的負担の軽減が示唆された. 【結論】終末期に比べ, 看取りの方針を患者自身が意思決定することは困難である. 事前指示の有用性について, さらに検討する必要がある.
- 日本緩和医療学会の論文
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