心エコー上左室肥大を呈し, 重症心不全を呈した高齢女性の心アミロイドーシスの1剖検例

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概要

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• 症例は83歳, 女性. 心不全のため, 近医で入院加療を受けた. 退院後再度全身倦怠感が強くなり, 発症から7カ月後に当院に入院した. 身体所見上, 頸静脈怒張と下腿浮腫を認め, 心電図では心房細動で左軸偏位とQRS幅の延長を認めた. 胸部X線写真で心胸郭比74％, 心エコーで著明な左室肥大と全周性の心膜液を認め, 左室壁運動は, び漫性に低下していた. 心エコーでの著明な左室肥大に比して, 心電図上は左室肥大を疑う所見は乏しかった. 慢性心不全急性増悪と考え治療を開始したが, 心拍出量低下による腎前性腎不全が悪化し, 入院第57病日に死亡した. 剖検(胸部局所解剖)では心臓重量560g, 左室壁·中隔とも2cm以上であった. 組織学的には, ヘマトキシリン·エオジン染色で広範に認められた硝子様沈着物質がコンゴ·レッド染色陽性であり, 免疫組織化学染色によってトランスサイレチンと確認された. 年齢, 病歴および家族歴がないこと, 組織学的所見などを総合して老人性全身性アミロイドーシスと診断した.

• Japan Heart Foundationの論文

著者

• 吉田 麻美

  恒昭会藍野病院内科・大阪医科大学第一内科漢方外来

• 福田 泰樹

  恒昭会藍野病院

• 前田 環

  大阪医科大学第2病理学教室

• 佐伯 彰夫

  恒昭会藍野病院内科

• 阿部 恵子

  恒昭会藍野病院内科

• 斯波 秀行

  恒昭会藍野病院内科

• 中澤 博子

  恒昭会藍野病院内科

• 前田 優希

  恒昭会藍野病院内科

• 金 善江

  恒昭会藍野病院内科

• 矢野 雅浩

  北摂総合病院循環器内科

• 吉田 麻美

  恒昭会藍野病院内科

• 前田 環

  大阪医科大学

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