亜急性期の罹患部皮膚温から帯状疱疹後神経痛を予測する
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】帯状疱疹における神経障害を簡便に評価するスケールはない.今回,亜急性期(皮疹消退から発症2カ月まで)において,感覚神経障害で変化する触覚,交感神経障害で変化する皮膚温を量的に評価し,帯状疱疹後神経痛を予測できるかを検討した.【方法】亜急性期の帯状疱疹関連痛患者83人に対し,罹患皮膚の最も痛い部位と対側健常皮膚における触覚,電流知覚閾値,皮膚温を計測し,発症1年後までの痛みの強さ(numerical rating scale:NRS)と生活の質(pain self-efficacy questionnaire:PSEQ)を評価した.【結果】健側と患側で有意な皮膚温差はなかったが,皮膚温差と発症2カ月以降の最小NRS,平均NRS,最大NRS,PSEQとの間に有意な相関があった.すなわち,患側皮膚温が健側より低いほど,NRSは高く,PSEQは低かった.一方,患側は健側よりも触覚が有意に低く,電流知覚閾値が有意に高かったが,いずれの程度もNRSまたはPSEQとの間に有意な相関はなかった.【結論】亜急性期の患側皮膚温が健側よりも低いほど,帯状疱疹後神経痛の予後が悪い危険性があることが示唆された.
著者
関連論文
- 整形外科下肢手術を対象とした術後腰部硬膜外鎮痛におけるロピバカインの有効性の検討
- ロピバカインとフェンタニルを用いたPCEA付き術後持続胸部硬膜外鎮痛における鎮痛効果の検討
- フェンタニル併用ブピバカインによる脊椎麻酔が循環動態に与える影響 : ブピバカイン単独投与との比較
- 硬膜穿刺後に生じた頭蓋内硬膜下出血の1症例
- 遠絡療法が奏効した難治性 failed back surgery syndrome の1症例
- 術後疼痛コントロール (特集 痛みの臨床)
- 尿管結石除去術の麻酔中にアナフィラキシーショックに陥り心肺停止となった1症例
- 肺血栓塞栓症
- 北里大学病院における緊急手術の麻酔529症例の検討
- 術後持続腰部硬膜外鎮痛におけるロピバカインとブピバカインの比較
- 培養感覚神経におけるpentobarbitalの軸索輸送抑制作用
- 三叉神経痛に対する口腔粘膜8%リドカインスプレーの鎮痛作用
- 術後硬膜外鎮痛における作用時間の異なる局所麻酔薬の比較
- 三叉神経痛に対する口腔粘膜8%リドカインスプレーの鎮痛作用
- 亜急性期の罹患部皮膚温から帯状疱疹後神経痛を予測する