S状結腸に発生したbenign fibroblastic polypの1例
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概要
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症例は65歳男性.スクリーニングの下部消化管内視鏡検査にて,S状結腸に粘膜下腫瘍様の形態を呈する5mm大の病変を認めた.診断的治療目的にEMRを施行した.病理組織学的所見では,粘膜固有層主体に異型の乏しい紡錘形細胞の増殖が見られた.免疫染色ではvimentinが強陽性,epithelial membrane antigen,α-smooth muscle actin,desmin,S-100,c-Kit,PDGFは陰性,CD34は部分的に陽性を呈し,Ki-67陽性率は低かった.これらの所見からbenign fibroblastic polyp(BFP)と考えられた.BFPは比較的新しい呼称であり,現時点では疾患概念は確立していない.類似する形態を示す,平滑筋腫,gastrointestinal stromal tumors,神経線維腫,神経鞘腫,神経周膜腫,inflammatory fibroid polypなどを除外して診断されている.本症例が本邦初の報告と思われ,文献的考察を加えて報告する.
- 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会の論文
著者
-
小野 一雄
日本赤十字社和歌山医療センター 呼吸器内科
-
山下 幸孝
日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科
-
中村 文保
日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科
-
瀬田 剛史
日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科
-
浦井 俊二
日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科
-
上野山 義人
日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科
-
赤松 拓司
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器科
-
谷口 洋平
日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器外科
-
中谷 泰樹
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
-
松本 久和
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
-
浦井 俊二
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
-
山下 幸孝
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
-
谷口 洋平
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
-
中村 文保
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
-
瀬田 剛史
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
-
上野山 義人
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
-
赤松 拓司
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科
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