夫婦間介護におけるストレスプロセス:—構造方程式モデリングによる性差の検討—
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概要
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ストレスプロセスモデルを用い,高齢者を介護する配偶者のストレスとその性差について検討した.対象は配偶者を介護する60歳以上の主介護者314名(女性206名,男性108名)であった.分析モデルは介護者の年齢と活動能力,1次ストレッサー(被介護者のADL障害,認知症に関連する行動),2次ストレッサー(介護負担感),心理社会的資源(情緒的サポート,介護統制感),精神的健康から構成されている.構造方程式モデリングによる同時分析の結果,1次ストレッサー,2次ストレッサー,精神的健康の相互の関連には男女に共通性が高く,これらと心理社会的資源との関連にはやや性差があることが示唆された.すなわち,男女とも情緒的サポートと介護統制感が介護負担感を低下させ,精神的健康に寄与するという媒介効果が示された一方,女性にのみ介護統制感が精神的健康に寄与するという直接効果が認められた.
- 日本家族社会学会の論文