トランスポーター:腎臓からの全身制御を目指して
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概要
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生体を構成する細胞の生存と機能維持にとって,細胞膜を介したイオンや有機物質の輸送は不可欠である。トランスポーターは,チャネルやレセプターとともに細胞膜に存在する膜タンパク質である。トランスポーターはチャネルとは異なり水路を持たず,輸送のたびに基質結合部位の向きを細胞内・外に一回ごとにスイッチ・リセットしながら物質の細胞膜透過を可能にする。1990年代の分子クローニングにより大きく進歩したトランスポーター研究であるが,未だに200近い遺伝子がその生理的機能の不明な(オーファン)ままであり,それらの役割解明は今後さらに原因不明の疾患の解明と新たな創薬の標的となることが予想される。現在もトランスポーター研究を続けている者の一人として,オーファントランスポーター遺伝子の機能解明から全身の制御を目指す腎尿細管トランスポーター研究の未来について私なりの提案をさせて頂きたい。
著者
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