後ろ向き研究による, ホスピス入院患者における腫瘍熱と感染症の鑑別に寄与する因子の同定
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概要
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【目的】終末期がん患者において, 短期間・低侵襲で感染症と腫瘍熱を鑑別する方法を開発することは, 症状緩和において有用である. 【方法】2009年4月から2011年8月の聖隷三方原病院ホスピス入院患者において, 腫瘍熱群と感染症群を後ろ向きに12人ずつ同定した. 両群の背景因子, 採血所見, 身体所見, 症状をカルテより抽出し, 比較した. 【結果】以下の項目で有意差を認めた. 平熱時と発熱時のC-reactive protein値の差(p<0.001), 平熱時と発熱時の白血球数の差(p=0.0017), 好中球率(p=0.023), リンパ球率(p=0.011), せん妄(p=0.012). 【結論】一般的採血項目とその時系列変化により, 腫瘍熱と感染症を鑑別できる可能性が示唆された.
- 日本緩和医療学会の論文
著者
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鄭 陽
聖隷三方原病院 ホスピス
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井上 聡
聖隷三方原病院ホスピス科
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森田 達也
同 緩和支持治療科
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小田切 拓也
聖隷三方原病院 ホスピス科
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山内 敏宏
聖隷三方原病院 ホスピス科
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今井 堅吾
聖隷三方原病院 ホスピス科
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鄭 陽
聖隷三方原病院 ホスピス科
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