P2-13 強発光性ルシフェラーゼを利用したヒトムスカリン性アセチルコリン受容体M3に対する自己抗体の検出法の確立
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概要
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【目的】シェーグレン症候群(SS)ではヒトムスカリン性アセチルコリン受容体M3(AChRM3)に対する自己抗体の関与が指摘されている.抗AChRM3抗体の検出は,細胞外領域に相当する合成ペプチドを用いたELISA法等が既に報告されている.今回,我々は複数貫通膜分子に対する抗体の検出に効果的であるカイアシルシフェラーゼ免疫沈降法(GLIP法)による抗AChRM3抗体測定系を評価した.【対象・方法】SS 37例,健常者39例を対象とし,GLIP法による測定を行った.全長ヒトAChRM3とカイアシルシフェラーゼ(GL)の融合組換えタンパク質をリポーターとしヒト血清(あるいは既製抗体)を反応させた後,プロテインGセファロースを用いて反応溶液中のIgGを回収した.免疫沈降物中のルシフェラーゼ活性の測定で,抗AChRM3抗体の有無を評価した.【結果】1.アミノ末端およびカルボキシル末端領域を標的とする2種類の既製抗AChRM3抗体でGLIP法を実施した結果,本法の抗AChRM3抗体検出における有効性を確認した.2.健常群血清を対象にGLIP法を実施し,カットオフをmean+3SDに設定した.3.SS 3例を抗体陽性と判定した.【結論】全長のヒトAChRM3を抗原に用いた新たな抗AChRM3抗体検出系を確立した.今後は各測定法によるvalidationを行うことを計画している.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
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川上 純
長崎大学病院 第一内科
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中根 俊成
長崎川棚医療センター 臨床研究部
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向野 晃弘
長崎大学病院 第一内科
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樋口 理
長崎川棚医療センター 臨床研究部
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寶來 吉朗
長崎大学病院 第一内科
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中村 英樹
長崎大学病院 第一内科
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松尾 秀徳
長崎川棚医療センター 神経内科
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