P2-10 IgG4関連疾患におけるRP105陰性B細胞比率と疾患活動性の関連
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概要
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【目的】IgG4関連疾患(IgG4-RD)において,血清IgG4値は診断上重要である.しかし,血清IgG4値が必ずしも疾患活動性を直接反映するわけではない.また,BAFFの関連性の報告はあるが,病態とより密接に関連した疾患活動性マーカーが臨床上希求されている.RP105(CD180)は自然免疫系に属するToll like receptor関連分子の一員で,正常B細胞に発現し,B細胞活性化制御に与っている.IgG4-RDではRP105陰性B細胞の増加がみられるが,今回,同細胞の比率と臨床的パラメーターとの関連を検討した.【方法】IgG4-RD患者5例において末梢血RP105(−)B細胞比率をフローサイトメトリーにて解析した.2例は治療前後の経時的解析が可能であった.血清免疫グロブリン値,血清IgG4 : IgG比,CRP値,臓器障害数などの各種パラメーターとRP105陰性B細胞比率の関連を検討した.【結果】正常ではRP105(−)B細胞は2.6%であったが,IgG4RD患者では20.6%であった.RP105(−)B細胞比率は治療により減少し,血清IgG4/IgG比,臓器障害数と相関する傾向がみられた.【結論】RP105(−)B細胞比率は,IgG4-RDにおいてB細胞の免疫異常の程度や疾患活動性を反映する可能性があるが,多数例にて確認する必要がある.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
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多田 芳史
佐賀大学附属病院 膠原病リウマチ内科
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小荒田 秀一
佐賀大学附属病院 膠原病リウマチ内科
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田代 知子
佐賀大学附属病院 膠原病リウマチ内科
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貞永 裕梨
佐賀大学附属病院 膠原病リウマチ内科
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永尾 奈津美
佐賀大学附属病院 膠原病リウマチ内科
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大田 明英
佐賀大学附属病院 膠原病リウマチ内科