スポンサードシンポジウム1 IL-6と炎症・免疫疾患:update
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概要
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IL-6は,感染や火傷などの生体ストレス時に速やかに産生され,急性期蛋白の産生誘導や免疫系や血液系細胞を活性化し,生体防御に寄与するサイトカインである.一方,何らかの原因によるある細胞からの持続的なIL-6の過剰産生は,様々な慢性炎症や免疫疾患の発症や進展に関与することが明らかとなり,IL-6の作用を阻害するヒト化抗IL-6受容体抗体トシリズマブが開発された.トシリズマブは,本邦から世界に広がる臨床試験,治験により,関節リウマチ,キャッスルマン病や若年性特発性関節炎に対する有効性,安全性が検証され,本邦のみならず,諸外国においても,これらの疾患に対する画期的な治療薬として承認されている.IL-6阻害療法は,他の様々な炎症・免疫疾患に対しても新規な治療手段となる可能性があり,成人発症スチル病,リウマチ性多発筋痛症,アミロイドAアミロイドーシス,ベーチェット病,自己炎症症候群等の炎症性疾患,全身性硬化症,血管炎症候群,多発性・皮膚筋炎,再発性多発軟骨炎,視神経脊髄炎などの自己免疫疾患に対する臨床研究,試験が進められている.本シンポジウムでは,現状のevidenceを紹介するともに,IL-6阻害療法の免疫難病への適応拡大の可能性,その有効性のメカニズム,また,何故様々な免疫難病においてIL-6が持続的に産生されるのかその病因に関して,展望したい.
著者
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平野 亨
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
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嶋 良仁
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
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田中 敏郎
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器免疫アレルギー内科学
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楢崎 雅司
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科
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緒方 篤
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 感染病態学
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熊ノ郷 淳
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 感染病態学
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岸本 忠三
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 免疫機能統御学
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平野 亨
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科
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田中 敏郎
大阪大学大学院医学系研究科 抗体医薬臨床応用学
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