境界性・依存性・回避性パーソナリティ間のオーバーラップとそれぞれの独自性
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概要
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DSM-IVにおける複数のパーソナリティ障害(PD)の合併診断の頻度の高さが問題視されている。本研究では,依存性をその診断基準の一部に含み,複数の先行研究でオーバーラップが示唆されている境界性・依存性・回避性PD傾向間の共通点および相違点を数量的に検討した。調査対象者は,大学生・大学院生216名であった。PD傾向の測定には,日本語版SCID-II(高橋・大曾根訳,2002)および中澤(2004a)の大学生用PD傾向尺度(10PesT)における境界性・依存性・回避性PDに関する項目を用いた。結果から,これらのPD傾向は,自分の判断や考えに自信がなく,他者の目を気にするがあまりに自己開示を抑制する点でオーバーラップしていることが示された。また,境界性・依存性PD傾向のそれぞれに特有の特徴も明らかにされたが,回避性PD傾向特有の特徴は本研究からは明らかにされなかった。これらの結果から,境界性・依存性・回避性PD傾向の背景にある特性および潜在因子の特徴について考察を行った。
- 日本パーソナリティ心理学会の論文
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