MRIでWunderlich症候群が疑われた1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Wunderlich症候群は重複子宮,単一腟,片側頸管閉鎖による傍頸部嚢胞,患側腎欠損を合併する比較的まれな疾患である.今回われわれは,MRIでWunderlich症候群と診断した1症例を経験したので報告する.症例は17歳(G0P0)で,月経期以外にも腹痛,骨盤痛を訴えて来院した.近医を受診し,骨盤内腫瘤を認め,内膜症性嚢胞の診断を受けていた.当院でMRIを施行したところ,重複子宮を認め,左側は片側頸管閉鎖のため7.5cm大の子宮留血腫,傍頸部嚢胞,左卵管留血腫・左尿管瘤を呈していた.CTでは左腎欠損を認め,画像所見よりWunderlich症候群と診断した.左子宮留血腫,左傍頸部嚢胞による腹痛が出現していると判断し,経腟的に開窓術,ドレナージを施行した.開窓術後,腹痛は改善した.現在,外来定期通院中であるが,再発なく経過している.Wunderlich症候群はMRIによって術前診断可能なことも多く,低侵襲手術が可能であると考えられる.未治療のままで経過すると,子宮内膜症の悪化,骨盤内癒着,卵管閉塞などを引き起こし,不妊に至る可能性も高いため,早期に本疾患を診断・治療することが有用である.〔産婦の進歩65(4):386-390,2013(平成25年11月)〕
- 近畿産科婦人科学会の論文
著者
-
山嵜 正人
ベルランド総合病院
-
村田 雄二
ベルランド総合病院
-
峯川 亮子
ベルランド総合病院
-
山本 香澄
ベルランド総合病院
-
三宅 麻子
ベルランド総合病院
-
土田 充
ベルランド総合病院
-
濱田 真一
ベルランド総合病院
-
山嵜 正人
ベルランド総合病院産婦人科
-
増田 公美
ベルランド総合病院
関連論文
- P2-202 癌胎児性フィブロネクチンの有用性について当科における検討(Group59 早産2,一般演題,第61回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 産褥出血に対して子宮動脈塞栓術を要した症例の検討 (第120回近畿産科婦人科学会周産期研究部会記録 母体の危機的状況への対応)
- 1469 成人脳性麻痺者の股関節可動域が腰椎側弯に与える影響(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 胎児心拍数モニタリング発展の歴史 (今月の臨床 胎児心拍数モニタリング)
- 大腿骨近位部骨折における手術2週間後の歩行機能に対する早期予測
- P2-17-16 子宮体癌に対する化学療法に"partially sensitive"の概念は導入できるか(Group105 子宮体部悪性腫瘍・化学療法,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 不妊治療が周産期の臨床経過に及ぼす影響に関する検討
- 胎児心拍数モニタリングと周産期予後 : 歴史的経過 (特集 CTGテキストブック2012 : 日本母体胎児医学会共同企画)
- 臨床 背側天蓋状骨片または関節内嵌頓骨片を伴った橈骨遠位端骨折の検討
- 一時的下大静脈フィルターを留置後に帝王切開を施行した下肢深部静脈血栓症合併妊娠の1例
- P1-39-1 PRESと診断され脳波異常を呈した子癇様発作の2症例(Group39 PIH・子癇(症例)1,一般演題,第64回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P2-33-2 妊娠中の頸管ポリープの診断に難渋した症例(Group89 合併症妊娠(症例)4,一般演題,第64回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P1-46-7 当院における後期早産児の短期予後についての検討(Group46 早産3,一般演題,第64回日本産科婦人科学会学術講演会)
- P3-5-7 子宮頸癌合併妊娠に対するRadical Cesarean Hysterectomy(Group117 子宮頸部腫瘍・治療1)
- P3-28-2 三次元超音波inversion modeによる鑑別診断を行った間葉性異形成胎盤(Placental mesenchymal dysplasia)の一例(Group 133 胎盤・羊水(症例)1,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第65回学術講演会)
- P1-2-2 当院における癌性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注療法の有用性の検討(Group 2 悪性腫瘍全般・治療・再発1,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第65回学術講演会)
- MRIでWunderlich症候群が疑われた1例
- P1-30-9 妊娠28週子宮脱による高度頸管炎を認め,人工早産に至った一例(Group30 合併症妊娠6,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第66回学術講演会)