環境中のウラン同位体U-236を利用した研究 ─海洋循環トレーサーとしての確立を目指して─
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概要
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これまで,目的元素の濃縮・精製技術の向上や分析機器の開発など,分析化学分野の進展は,環境放射能そのものの研究やそれを活かした研究に多大なる影響を与え,分野拡大やその躍進に大きく貢献してきた.本論文では,近年の分析・測定技術の発展に伴い測定可能となってきた環境中の人工放射性ウラン(U)同位体である236Uに着目した研究について報告する.ここでは特に,地球表層環境にある236Uの起源や濃度,蓄積量についてセシウム(Cs)-137の分布などと共に詳細に調べた結果に加え,明らかになった236Uの特性を活かした地球科学的研究への応用例として,海水循環トレーサー利用に関して日本海をフィールドとした研究についても紹介する.
- 公益社団法人 日本分析化学会の論文
著者
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高橋 嘉夫
広島大学大学院 理学研究科 地球惑星システム学専攻
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坂口 綾
広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻
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門倉 彰伸
広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻
-
STEIER Peter
金沢大学環日本海域研究センター低レベル放射能実験施設
-
山本 政儀
金沢大学環日本海域研究センター低レベル放射能実験施設
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坂田 昂平
広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻
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富田 純平
独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター
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