ルテニウム錯体化学発光反応におけるコリアクタント分子構造の最適化及び環境・生体・食品中微量物質の分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
トリス(2,2'-ビピリジン)ルテニウム(III)錯体の化学発光反応は,脂肪族第三アミンなど特定の分子構造をもつ物質(コリアクタント)により引き起こされる.これまで,この錯体を発光検出試薬として,コリアクタントとなる物質を検出する分析法が多数報告されてきた.さらに高感度,高選択性,広いダイナミックレンジという一般的な化学発光検出法の利点に加え,電気化学的に発光試薬として再生するという特徴を活かし,この錯体をイムノアッセイなどにおける発光ラベルとして利用するなどの応用もなされている.よって新たなコリアクタントの発見は,この錯体の応用範囲をさらに大きく広げることに<rb>繋</rb>(つな)がる.本報では,本研究で新たに見いだしたコリアクタントである炭素鎖共役二重結合やヘテロ五員芳香環を持つ物質について,また,脂肪族アミンとの発光反応におけるアミン近傍の官能基の効果について,さらにこの発光反応を利用した高速液体クロマトグラフィー–化学発光検出法による環境・生体・食品中の微量物質分析法の開発について紹介する.
著者
関連論文
- イオン対抽出を用いるリン酸イオンの間接化学発光検出
- ルミノールの化学発光反応におけるコバルト(III)錯体の触媒作用
- トリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム錯イオンの化学発光を利用したチウラムとその類似物質の検出
- 中国雲南省个旧(Gejiu)市スズ鉱山周辺土壌における総ヒ素濃度分布
- ルテニウム錯体化学発光反応におけるコリアクタント分子構造の最適化及び環境・生体・食品中微量物質の分析