デフレーション下での中央政府による公共事業の事業効果分析
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概要
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本研究では、デフレーションに突入した1998年から2010年までのデータを用いて、中央政府の公共事業が日本のマクロ経済に及ぼした事業効果についての分析を行った。分析においては公共事業による内需主導型の経済対策にあわせて外需主導型の経済対策に対応する総輸出額の影響を考慮した。その結果、中央政府の公共事業の1兆円の増加(減少)によって、名目GDPが約5兆円増加(減少)すること、そしてそれを通して、デフレータ、失業率、平均給与、被生活保護者数がいずれも改善(悪化)し、最終的に総税収が1.6兆円、出生数が1.7万人増加(減少)するという分析結果が示された。一方、総輸出額の増加にはそうした広範な効果は検出されなかった。