慢性硬膜下血腫再発における手術法と抗血栓療法に関する検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
82例の慢性硬膜下血腫に対し, 術中血腫腔を洗浄するirrigation drainage (ID) 法 (n=46) と洗浄しないsimple drainage (SD) 法 (n=36) の2種類の治療を行った. 2つの治療群において術後抗血栓療法再開の有無に着目して再発率を比較した. ID法の再発率は25.9%, SD法は12.8%で, SD法で再発率は低い傾向を示したが統計学的有意差はなかった. ID法では術後2週間以内に抗凝固薬を再開した場合, 再開しない場合に比較し統計学的に有意に再発が多かった. SD法では抗凝固療法の早期再開による再発率の増加はみられなかった. SD法はID法より術後抗血栓療法の影響が少ない可能性が考えられた. 抗血栓療法中の慢性硬膜下血腫では, 服薬中断のリスクと服薬継続によるリスクをともに避ける方法としてSD法が有用な可能性がある.
著者
関連論文
- SSD 法を用いた 3D-CTA による IC-PC 動脈瘤と infundibular dilatation の鑑別
- 臨床的に悪性腫瘍が疑われた Marburg 型多発性硬化症の1例
- 17 微小点状ヘモジデリン沈着の数と高血圧性脳内血腫の大きさの関係(北日本脳神経外科連合会第28回学術集会)
- 慢性期血行再建術に対する周術期心血管系合併症リスクの術前評価
- 亜急性に進行する精神症状と白質脳症様のMRI所見を呈した中枢神経系に限局する肉芽腫性血管炎の1例
- 症候性総頸動脈閉塞症の2症例
- 63 頚椎脊方アプローチにおける椎間孔イメージの有用性(北日本脳神経外科連合会第27回学術集会)
- 79 クモ膜下出血後二次性水頭症の発症機序とヘモジデリン沈着についての一考察(北日本脳神経外科連合会第27回学術集会)
- 78 ラクナ梗塞例において点状ヘモジデリン沈着は脳出血発症の予想因子と考えられる.(北日本脳神経外科連合会第27回学術集会)
- 16 T2^*強調画像による過去のくも膜下出血の診断(北日本脳神経外科連合会第26回学術集会)
- 6 術中破裂した破裂脳動脈瘤の症例(北日本脳神経外科連合会第26回学術集会)
- 慢性硬膜下血腫再発における手術法と抗血栓療法に関する検討
- 慢性硬膜下血腫再発における手術法と抗血栓療法に関する検討