児童の性差と年齢における 静的立位足圧中心動揺変数の発達的変化
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概要
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[目的]本研究の目的は,児童の静的立位における足圧中心(CoP)動揺変数を自然対数への変換や体格的因子により正規化し,回帰直線の決定係数から発達的変化の妥当性および年齢と性差の影響を検討することである。 [方法]4歳から9歳までの健常児童364名と健常成人40名を対象とした。対象児(者)には,開眼(EO)と閉眼(EC)の2条件で静的立位のCoP 動揺を各20秒間測定した。分析項目は,総軌跡長,矩形面積および外周面積とした。各分析項目は実測値,自然対数値および体格的因子による正規化(総軌跡長/身長,矩形面積/(足長×足幅),外周面積/(足長×足幅))で構成した。統計解析では,各分析項目を従属変数,性別と年齢を共変量として共分散分析を行った。 [結果]EO とEC ともに矩形面積と外周面積それぞれの正規化値に性別と年齢との主効果がみられ,またEC では性別・年齢との交互作用がみられた。また,共分散分析から得られた回帰直線の決定係数は,実測値,自然対数値および正規化値の中で正規化値が最も高い結果であった。 [結論]9歳以下のCoP 動揺はEO およびEC ともに女子よりも男子が不安定性を示すが,10歳以降のEC では男子よりも女子が不安定に推移すると考えられた。CoP 動揺変数において,身長および足長と足幅の積による正規化は,実測値や自然対数値よりも児童の発達的変化を捉えることに有効であると考えられた。
著者
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齊藤 貴文
Department of Physical Therapy, Aso Rehabilitation College
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崎田 正博
Department of Physical Therapy, Faculty of Health Care Science, Himeji Dokkyo University
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熊谷 秋三
Human Environment studies, Institute of Health Science, Kyushu University
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中村 泰章
Department of Physical Therapy, Faculty of Health Care Science, Himeji Dokkyo University
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石井 禎基
Department of Physical Therapy, Faculty of Health Care Science, Himeji Dokkyo University
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上阪 雄介
Department of Physical Therapy, Faculty of Health Care Science, Himeji Dokkyo University
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土手 愛美
Department of Physical Therapy, Faculty of Health Care Science, Himeji Dokkyo University
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熊谷 秋三
Human Environmental Studies, Institute of Health Science, Kyushu University