地層水等におけるウラン系列核種とコロイド挙動:-新潟・山形県境金丸地域における例-(コロイド特性把握の研究-その2)
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概要
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地下水中のウラン系列核種とそのコロイド挙動等について検討するために,新潟・山形県境に位置する金丸地域において採取された地層水や地表水中のウラン系列核種およびコロイド挙動を調べた.地層堆積物中のウラン濃度は,ウラン濃集層の方が基盤花崗岩よりも1桁以上高濃度であったが,地層水では基盤花崗岩中の方がウラン濃集層よりも高濃度であった.ウラン濃集部ではウランが外部から移動し濃集固定しているのに対し,花崗岩ではウランを溶出しやすい環境にあり,ウラン供給源としての働きを有すると考えられた.地層水中のウラン系列核種は,U-234/U-238放射能比>1を示す試料がほとんどであり,ウランが溶出していることを示唆していた.表層もしくは浅層で採取された掘削後初期の溶液試料では,Th-230/U-234放射能比>1の試料が幾つか認められた.溶液中ではTh-230/U-234放射能比>1にはなり難いことから,量的にはわずかであろうが,固体状での存在形態,例えば懸濁物質やコロイド態が推測された.この原因として,ボーリング掘削に伴う泥水・掘削片等の懸濁物の混入や地層水移動の可能性,更には外気との接触によってpH,Eh等の変化に伴いコロイド生成が生じた可能性が考えられる.
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