人間ドックで発見された肺がん症例から検討したCT検診の意義について
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概要
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目的:人間ドックにおける胸部CT検診により発見された肺がん症例の臨床的特徴とCT検診の意義を検討した.方法:2006年5月から2010年12月までに当院人間ドックにおいて胸部CTによる肺がん検診受診者35,603名(男性28,952名,女性6,651名)を対象に,原発性肺がん症例の臨床的特徴と,男性における継年受診者および初回受診者の両群間の各種臨床的背景因子を比較検討した.結果:肺悪性疾患は,男性35例(原発性肺がん30例,転移性肺腫瘍3例,悪性リンパ腫2例),女性8例(原発性肺がん7例,転移性肺腫瘍1例)であった.原発性肺がんについて,組織型は男性83%,女性86%が腺癌で,臨床病期は男性70%,女性86%がⅠ期であった.しかし男性ではⅢ期,Ⅳ期の進行例を認めた.継年および初回受診者の両群間には,BMI,脂質・糖代謝,肝・腎機能,血球,喫煙指数,飲酒量,運動時間等の臨床的背景因子に有意差を認めなかった.継年受診者の過去CT画像所見をretrospectiveに検討した結果,全症例の過去画像で何らかのCT所見を認めていた.結語:喫煙男性では40歳代で初回CT検査で何らかの画像所見を指摘された場合は年1回のCT検診を,非喫煙男性で初回CT検査で画像所見を指摘された場合は2~3年毎,女性は50歳以上で一度CT検診を受けることが重要と考えられた.
著者
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奥村 光絵
NTT関東病院予防医学センター
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藤林 和俊
NTT関東病院 予防医学センター
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飯島 喜美子
NTT関東病院 予防医学センター
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郡司 俊秋
NTT関東病院 予防医学センター
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佐々部 典子
NTT関東病院 予防医学センター
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町田 徹
2NTT関東病院 放射線科
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奥村 光絵
NTT関東病院 予防医学センター
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