蛋白尿陰性CKDの検討
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概要
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目的:CKD(慢性腎臓病)は大半を蛋白尿陰性群が占める.これらの,蛋白尿陰性CKD群の危険因子は何か,さらに進行性の有無について自験例で検討した.方法:当健診センター受診者で2002年以降の20歳以上8,357名を対象として,eGFR(推算糸球体濾過量)が60 mL/分/1.73m2未満の者を抽出し,性,年齢,尿所見,尿酸,BMI,高血圧,高脂血症,糖尿病,喫煙について多変量ロジスティック回帰分析にて危険因子の検討を行った.3~5年間の追跡が可能であった蛋白尿陰性CKDのeGFRの推移を検討した.結果:CKD3期は60歳以上では健診受診者の15.76%を占めた.eGFRが60未満50以上が86%,蛋白尿陰性が86%であった.CKD3期全体の危険因子は高い順に年齢,高尿酸血症,蛋白尿,高血圧,性差であり,蛋白尿陰性CKD群では危険因子は高い順に年齢,高尿酸血症,高血圧であった.蛋白尿陰性CKD群は3~5年(平均4.32年)の追跡では,eGFRの有意な低下はみられなかった.結論:健診で発見されるCKD3期の86%は専門医受診勧奨基準値の eGFR50 mL/分/1.73m2以上で蛋白尿陰性である.蛋白尿陰性CKDの危険因子として高尿酸血症は重要な因子(オッズ比3.191)であり,介入が必要であると考える.また,CKDのリスクを層別化する因子として蛋白尿を組み入れることが望ましいと思われた.
著者
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吉田 毅
古賀病院21
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宮本 祐一
新古賀クリニック健康管理センター
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小柳 徳明
新古賀クリニック健康管理センター
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山浦 里沙
新古賀クリニック健康管理センター
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貞嶋 栄司
久留米大学大学院 医学研究科バイオ統計学
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大坪 義彦
新古賀クリニック健康管理センター
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小野 研
新古賀病院検査科 放射線科
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金子 恒一郎
古賀病院21ペットセンター
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出水 加奈子
新古賀クリニック健康管理センター
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松井 友子
新古賀クリニック健康管理センター
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