人間ドック受診者の虫垂炎手術既往歴率とその手術のドック結果に及ぼす影響
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概要
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目的:虫垂炎手術既往歴のある人の健診結果に特徴があるかどうかを検討した.方法:対象は糖尿病,脂質異常症,高血圧,高尿酸血症の薬剤治療をしておらず,かつ脳卒中および心筋梗塞の既往歴のない人間ドック受診者の男性10,093名,女性3,087名.治療薬剤,生活習慣情報は自記式問診票にて得た.結果:男性と女性の虫垂炎手術率はそれぞれ6.6%と5.6%で,年代別に検討すると20歳代は2.5%と2.7%,30歳代は4.0%と4.8%,40歳代は6.6%と6.6%,50歳以上は9.3%と9.7%で,男女差は認められなかった.虫垂炎手術あり群はなし群と比較して平均年齢が有意に高かったので,年齢で調整してこの2群間の測定値および検査値を比較した.男女とも血圧,脈拍,血算,肝・胆道系酵素,血清脂質,腎機能,血糖,総蛋白,アルブミン,CRPには差が認められなかったが,総グロブリンが手術あり群で低値(男性2.59 vs 2.65 mg/dL(p=0.012),女性2.66 vs 2.73 mg/dL(p=0.070))であった.結論:総グロブリンは免疫グロブリンを含んでおり,虫垂炎手術が免疫機能に影響を及ぼしている可能性が示唆された.
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