加算平均心電図(SAECG)における双方向フィルタと逆方向フィルタの違いによるtotal filtered QRS duration(QRS幅)の差に関する考察
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概要
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加算平均心電図(SAECG)から心室遅延電位(LP)を求めるためのフィルタとして双方向フィルタと逆方向フィルタがある.その違いにより,LPの指標であるQRS幅が異なることは知られている.しかし,この差に関する報告は少ない.そこで,今回,フィルタの違いによるQRS幅の差について考察した.<BR>健康成人21人(男16人)を被験者とし,弊社製心電計ECG-1550を使用して収集した心電図を,Arrhythmia Research Technology(ART)社製Predictorにて加算平均した.この心電図に対し,後方から先頭まで及び,前方,後方双方向から各々QRS波内までフィルタをかける.フィルタは,どちらもハイパスフィルタは40Hzの4次,ロウパスフィルタは250Hzの2次,のバターワースフィルタとした.QRS幅を求める手法は,SD noise levelの3倍以下になる点の近傍の最小点を開始点,終了点とした.<BR>双方向フィルタのQRS幅に比較して逆方向フィルタのQRS幅は平均で41.3ms長かった.また,QRS開始点の決定にフィルタ処理前の波形を用いた場合は,3.7ms長かった.<BR>フィルタ方向の違いによるQRS幅の差はQRS面積,パワー,波高値などとの関連はなかった.
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