一斉指導で利用可能なひらがな単語読みの評価に関する研究:―ひらがな単語連鎖課題による検討―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年、低学年で学習困難を示す児童に対する教育支援の必要性が指摘されている。本研究では、教室の指導で利用可能なひらがな単語連鎖課題の有効性を検討した。小学2年生189名を対象に、ひらがな単語連鎖課題、ひらがな音読課題、国語の基礎テストを行った。ひらがな単語連鎖課題では、1列10文字で、7列にわたってひらがな文字が配列され、児童は文字を端から読み、有意味単語を丸で囲うよう教示された。音読課題とひらがな単語連鎖課題の低成績の生起に関するオッズ比を算出した。その結果、ひらがな単語連鎖課題で低成績を示す児童は、音読課題が低成績であるリスクが高いことを指摘できた。重回帰分析の結果、ひらがな単文音読課題とひらがな単語連鎖課題の成績は、ともに国語の達成レベルに関係することが明らかになった。ひらがな単語連鎖課題は、読みの語彙プロセスと関連し、教室で利用可能なひらがな単語の音読評価として有効であることが指摘できる。
- 日本特殊教育学会の論文
日本特殊教育学会 | 論文
- 生涯にわたる豊かな生活と身体活動 : 体育・スポーツから生きる力を考える(準備委員会企画シンポジウム8,日本特殊教育学会第37回大会シンポジウム報告,実践研究特集号)
- 発達障害児者の行動問題から教育・福祉の充実を目指すPBS(1) : 制約のある環境からサービス向上への転換(自主シンポジウム43,日本特殊教育学会第45回大会シンポジウム報告)
- 遠隔通信技術を活用した聴覚障害児支援 : 携帯電話を利用した情報保障システムの活用可能性(自主シンポジウム7,日本特殊教育学会第47回大会シンポジウム報告)
- 就学猶予・免除者の教育権を考える(3) : 障害の重い成人の就学権回復と生涯学習(自主シンポジウム7,日本特殊教育学会第45回大会シンポジウム報告)
- 「特別支援教育」時代の障害者社会教育・生涯学習 : 教育福祉論の視点から公的社会教育の在り方を問う(自主シンポジウム1,日本特殊教育学会第42回大会シンポジウム報告)